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逆井 章; JT-60チーム
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 1, p.18 - 25, 1998/00
JT-60Uでは定常トカマク炉の物理基礎の確立及びITER物理R&Dへの貢献を目的として、閉じ込め向上、放射冷却ダイバータ、非誘導電流駆動を中心に研究を進めている。高放電の性能向上により高いブートストラップ電流を誘起し、効果的な定常運転が可能となった。負磁気配位は急勾配な圧力分布に起因する高いブートストラップ電流を産み出すため、先進的定常運転シナリオとして注目される。負磁気シア放電の定常化の課題は崩壊の回避とMHD安定化の描像を明らかにすることである。負イオン源NB入射による電流駆動実験を行い、高い電流駆動効率を得ると共に、完全電流駆動での定常運転を目指す。1997年2月から5月にかけてW型ポンプ付ダイバータへの改造工事を行い、6月から放射冷却ダイバータと高閉じ込め性能との両立を図る実験を行っている。ダイバータ排気により密度制御性能及びダイバータの放射損失を増大させた。
栗田 源一; 牛草 健吉; 菊池 満; 永島 圭介; 閨谷 譲; 宮 直之; 豊島 昇; 高橋 良和; 林 巧; 栗山 正明; et al.
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 1, p.233 - 236, 1998/00
SSTRのような定常トカマク炉を実現するためにはアルファ粒子の加熱に加えて、高q(5~6)と高(2~2.5)において、良好な粒子制御体での高いエネルギー閉込め(Hファクター2)、安定な高規格化(~3.5)、高いブートストラップ電流の割合と高効率電流駆動、ダイバータによる熱負荷の軽減とヘリウム排気等を同時に達成する必要がある。定常炉心試験装置は、ITERの先進的シナリオに貢献すると同時に、このような炉に適した運転モードを重水素を用いて確立するために、研究されている。18個のTFコイルは、R=4.8mにおいて6.25Tのトロイダル磁場を発生し、10組のPFコイルは、楕円度2まで、三角形度は、ダブルヌルで0.8までとれる設計となっている。電流駆動系は、広い範囲の電流分布制御ができるように、合計60MWの負イオンNBIとECHの組合せとなっている。
小出 芳彦; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 4(5), p.1623 - 1631, 1997/05
被引用回数:76 パーセンタイル:89.99(Physics, Fluids & Plasmas)高効率の定常トカマク炉を実現するためには、高温・高密度プラズマを非誘導電流駆動を安定に定常保持するとともにダイバーターとの整合性を確保する必要がある。本論文では、このような高性能プラズマ達成に向けたJT-60Uの最新成果を述べる。主な成果を以下に列挙する。(1)炉心級プラズマの電流駆動・電流分布制御に不可欠である負イオン源中性粒子ビームの入射に世界で初めて成功した(1.2MW/350keV)。(2)負磁気シアー放電にて、エネルギー閉込め時間1.06秒・等価核融合増倍率0.73に達する高性能プラズマを生成した。更に、この高性能プラズマにNeガスを注入することにより、ダイバータの熱負荷を低減できる可能性を見い出した。(3)プラズマ形状の三角形度を増加させることにより圧力限界が改善することを見い出し、ブートストラップ電流とビーム電流による非誘導完全電流駆動状態を2秒間維持した。